きゃにめ

FAIRY TALE フェアリーテイル

2017年JASRAC国際賞受賞記念! 高梨康治によるアニメ「FAIRY TAIL」オリジナル・サウンドトラック5タイトルがハイレゾ化! きゃにめ独占先行配信中!

2009年から2013年まで放送されたTVシリーズ第1期の4作に「劇場版 FAIRY TAIL 鳳凰の巫女」のサウンドトラックを加えた全5作を一気にハイレゾ化、きゃにめで先行配信をスタートします。
音楽の高梨康治はこのたび、海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品に送られるJASRAC国際賞を「FAIRY TAIL」で受賞(通算3回目)、ヨーロッパを中心に海外でも高い人気を誇っています。

■ポニーキャニオンからリリースした「FAIRY TAIL」サウンドトラック全5作をすべてハイレゾ化!(48kHz/24bit)

■フィドルやバグパイプなどの音を使ったケルト風味の音楽とヘビーなロックを融合させた、独特のスケール感あふれたサウンドが国内外で大絶賛!

「FAIRY TAIL」オリジナル・サウンドトラック VOL.1

オリジナル発売日:2010年1月6日
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  • 1 FAIRY TAIL メインテーマ
    2 エルザのテーマ
    3 魔法発動
    4 ドラゴンスレイヤー
    5 楽園の塔
    6 闇ギルド
    7 ミラジェーンのテーマ
    8 にぎやかな街
    9 妖精の尻尾
    10 星霊魔法
    11 ルーシィがんばる
    12 グレイのテーマ
  • 13 ナツのテーマ
    14 宿命
    15 忍び寄る影
    16 ラクサス暴走
    17 フェアリーロウ
    18 仲間たち
    19 故郷
    20 ルーシィのテーマ
    21 氷の戦塵
    22 幽鬼
    23 闇よ、つどえ!
    24 アイゼンヴァルト
  • 25 暗黒の魔導士
    26 サラマンダー
    27 氷刃舞う
    28 魔法対戦
    29 悲しき過去
    30 悪魔デリオラ
    31 ティターニアの鎧
    32 燃え上がる拳
    33 最後の魔法
    34 紅蓮の怒り
    35 威風堂々 —Rock ver.—
    36 FAIRY TAIL メインテーマ —Slow ver.—

「FAIRY TAIL」オリジナル・サウンドトラック VOL.2

オリジナル発売日:2010年7月7日
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  • 1 鉄竜 −くろがね−
    2 獅子の星霊
    3 邪悪の槌音
    4 追憶 〜めざめる魂〜
    5 新しい友情
    6 ハッピーのテーマ
    7 妖しい魔導士
    8 マカロフ
    9 ファンタジア
    10 旅立つ者へ
    11 ファントムロード
    12 魔道の挑戦者
  • 13 破邪の戦風
    14 悲壮
    15 FAIRY TAIL メインテーマ −Piano ver.−
    16 ナツの魔法1 〜火竜の咆哮〜
    17 ナツの魔法2 〜火竜の劍角〜
    18 ナツの魔法3 〜紅蓮火竜拳〜
    19 グレイの魔法1 〜アイスメイク〜
    20 グレイの魔法2 〜アイスゲイザー〜
    21 グレイの魔法3 〜氷刃・七連舞〜
    22 エルザの魔法1 〜金剛の鎧〜
    23 エルザの魔法2 〜天輪の鎧〜
    24 エルザの魔法3 〜煉獄の鎧〜
  • 25 冥き残光
    26 星霊王
    27 楽園の塔 〜ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op.18」第1楽章より
    28 解き放たれし力
    29 絆
    30 追憶 〜哀しき魂〜
    31 魔水晶
    32 サタンソウル
    33 退魔激戦
    34 永遠の魔法
    35 フィオーレ王国
    36 FAIRY TAIL メインテーマ −METAL ver.−

「FAIRY TAIL」オリジナル・サウンドトラック VOL.3

オリジナル発売日:2011年7月6日
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  • 1 魔法境の旅人
    2 3人のドラゴンスレイヤー
    3 疾風迅雷
    4 鋼の白熱戦
    5 連合軍、集結!
    6 シャルルの告白
    7 六魔将軍現る!
    8 群雄相打つ
    9 ミッドナイト目覚める
    10 毒竜のコブラ
  • 11 ニルヴァーナの光
    12 平行世界エドラス
    13 浮遊島の民
    14 ミストガンのテーマ
    15 天空の巫女
    16 翼あるもの
    17 超亜空間魔法アニマ
    18 エクシードたち
    19 消えゆく魔力
    20 アイスボーイ
  • 21 天使殲滅作戦
    22 天使の苦悩
    23 パンサーリリー
    24 竜鎖砲
    25 激闘魔法陣
    26 星霊合戦
    27 正義の力
    28 エルザ対エルザ
    29 ドラゴンフォース
    30 古の魔法

劇場版「FAIRY TAIL -鳳凰の巫女-」オリジナル・サウンドトラック

オリジナル発売日:2012年8月15日
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  • 1 旅立ちの序曲 〜OVERTURE:FAIRY TAIL メインテーマ〜
    2 鳳凰の舞
    3 朱に染まる村
    4 メインタイトル
    5 バックス盗賊団
    6 ルーシィ張り切る
    7 ギルドへの帰還
    8 エクレアの記憶
    9 旅の仲間
    10 魔法の街・ローズガーデン
  • 11 影の襲撃
    12 追撃! ナツとグレイ
    13 カラードの館
    14 遺された言葉
    15 よき仲間
    16 カーバンクル来襲
    17 二つの鳳凰石
    18 エクレアを救え!
    19 ベロニカ攻城戦
    20 苦しい戦い
  • 21 激闘の果て
    22 復活の儀式
    23 鳳凰復活
    24 宿命の巫女エクレア
    25 ナツvs.ディスト
    26 邪心を焼く炎
    27 鳳凰・滅びの力
    28 宿命を絶つ矢
    29 永遠のエクレア

「FAIRY TAIL」オリジナル・サウンドトラック VOL.4

オリジナル発売日:2013年3月20日
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  • 1 雷炎竜吼える
    2 煉獄の七眷属
    3 黒魔導士の邪心
    4 胸に秘めし想い
    5 愛しきものへ
    6 S級魔導士昇格試験
    7 天狼島
    8 悪魔の心臓(グリモアハート)
    9 黒き炎
    10 火竜 vs. 炎神
    11 過ぎし日の光
    12 メイビスの墓
    13 大魔導士ブルーノート
    14 無敵のアズマ
    15 ゼレフの憂鬱
    16 魔女の罪(クリムソルシエール)
    17 ウルティアとグレイ
  • 18 妖精の輝き
    19 天狼樹
    20 マカロフVS.ハデス
    21 破滅への序曲
    22 最強最後の死闘
    23 ベストパートナー
    24 FAIRY TAIL メインテーマ -天狼島 ver.-
    25 剣咬の虎(セイバートゥース)
    26 第三世代ドラゴンスレイヤー
    27 白竜と影竜
    28 時の迷宮
    29 はるかなる約束の地
    30 大魔闘演武
    31 誇りを賭けて
    32 ゲームの始まり
    33 強敵現る
  • 34 魔法競技戦
    35 勝機の一撃
    36 ルーシィと星霊の力
    37 暗躍する者たち
    38 ウルティア
    39 ジュビア
    40 ギルドの誇り
    41 フロッシュとレクター
    42 シャルルの悪夢
    43 エクリプス計画
    44 われらフェアリーテイル
    45 最凶ライバル登場
    46 頂上を目指せ!
    47 練達の魔法戦
    48 終わりなき攻防
    49 魔道の覇者

※CD発売時に収録されていたボーナストラック2曲は未収録です。ご了承ください。

【ダウンロード商品ご利用方法】
※iOS端末からの購入・ダウンロードには対応しておりません。

INTERVIEW

高梨康治インタビュー

Interview & Text by 腹巻猫(劇伴倶楽部)
(『FAIRY TAIL』サウンドトラック構成)

不動のメンバーでバンド的な作り方をした『FAIRY TAIL』の音楽 そのスタジオの空気がハイレゾでよみがえる

原作を読んでいるうちにメインテーマが浮かんだ

—— 『FAIRY TAIL』のオファーはどのように?
高梨 ぼくがとてもお世話になっているプロデューサーさんとディレクターさんからのオファーだったので、よろこんでお受けしました。それから改めて原作コミックスを読み始めたらむちゃくちゃ面白くて、一気に読んでしまったんです。読み込んでいくうちにメインテーマが頭の中に浮かんでいました。

—— それからスタッフと打ち合せを?
高梨 そうなんです。だから、打ち合せの場でいきなり「ケルティックメタルやりたいんです」って言って、みんながポカンとしちゃったんですよ。でも石平信司監督が「ファンタジーだからケルトって合うかもしれないね」と言ってくださって。「じゃあ試しにデモを出してみて」と言われて作ったのが今のメインテーマの原型です。デモの段階で、ほぼメロディやサウンドは完成していましたね。

—— デモを聴いたみなさんの感触は?
高梨 一発OKでした。「これはいけるぞ」と調子に乗って、それから作曲はハイテンションで進めました。

—— スタッフから音楽に対する注文は?
高梨 注文があったのは、楽園の塔のテーマにラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」をアレンジして使いたいということと、エルガーの「威風堂々」をアレンジして使いたいということだけ。それは石平監督からのリクエストでした。

—— それ以外は、曲調や楽器はおまかせしますと。音楽メニュー(※)をもとに打ち合せをしたのはそのあとですか?
※音楽メニュー:音楽発注時に作成される「こんな音楽がほしい」という希望を一覧にしたもの。「バトル」「悲しみ」などの簡単なテーマと説明がセットになっていることが多い。一般的には音響監督や選曲家が作成する。

高梨 そうです。音響監督のはたしょう二さんのメニューがお見事でした。メインテーマを強調するために映画的な音楽設計をされているんです。メインテーマのスローヴァージョンやピアノヴァージョンなどのヴァリエーションを作って、メインテーマを使う前に音楽的伏線を引く。はたさんならではの演出なんですよ。

—— スローヴァージョンなどを先に流してメロディを印象づけておいて、ここぞというところでメインテーマを使うと。そういう音楽演出が発注時からはたさんの頭の中にあったわけですね。
高梨 そういうことなんです。

ロックを主軸にという基本線は変わらない

—— キャラクターごとのテーマも作られていますが、どういうふうに発想されていったのでしょう?
高梨 ナツは泥臭くワイルドなイメージで、メインテーマに近いケルティックなメタル。エルザは様式美系のゴシックなメタル。グレイはモトリー・クルーなどのバッドボーイズ・ロック。そんなイメージを当てはめていきました。ハッピーは可愛く、ルーシーは明るくさわやかな感じ。キャラクターの色分けは苦心することなく、自然体でできました。正直、悩んでいないんですよ。ノリノリな状態でテンションはマックスのまま突っ走った感じです。

—— それ以前にもアクション系のアニメの音楽をたくさんやられていますが、『FAIRY TAIL』の作風は他の作品と異なりますか?
高梨 ロックを主軸にという基本線は変わっていません。『FAIRY TAIL』はロックにオーケストラを加えて色付けしていったサウンド。でもオーケストラの比重はそれほど大きくなく、ロックらしいビートの効いた曲が多い。特にケンジ(藤澤健至)のギター・プレイが炸裂した作品でもあると思っています。

—— ファンタジーの世界観を表現しているのはケルティックの部分ですね。ケルティックメタルの特徴は?
高梨 大きな特徴は楽器ですね。フィドル、アコーディオン、ホイッスル、バグパイプ(ウィリアムパイプ)など。ウィリアムパイプは音域や奏者の都合でシンセで代用しましたが、ほかの楽器はすべて生を使いました。わざわざ、演奏できるミュージシャンを呼んで。

—— そういった部分での苦心は?
高梨 サントラ「VOL.2」の1曲目「鉄竜 -くろがね-」では、「ホイッスルでこんな早吹きをしたことがない。このテンポでこんなパッセージを吹いたのは初めてだよ」って言われたのを覚えています。こちらもケルト音楽の楽器を使うことに慣れていなかった。「VOL.1」を作ってから、ミュージシャンの方に楽器の特性を教えていただいたんです。楽器ごとに鳴りがいい音域などを。たとえば共鳴弦のついたフィドルがあって、それだとBマイナーとDメジャーがよく鳴るそうなんです。そういったお話を聞いて、次からはそれを念頭に置いて曲を作るようになりました。

—— 追加録音のたびに徐々に。
高梨 感覚をつかんでいった。これは長く続くアニメだからこそできたことですね。

アルバムごとに少しずつ進化している

—— 『FAIRY TAIL』は録音回数も多いですね。第1回録音で約80曲、追加録音で20曲、2010年の追加で約30曲、2011年の頭に35曲の追加と暮れに「天狼島編」用の追加があり、2012年に「大魔闘演武編」用の追加録音をしています。ぜんぶで6回(※)は録音していますね。そのほかに2012年公開の劇場版で約30曲。並べて聴くと音楽的な変化や進化も?
※サウンドトラックアルバムには、「VOL.1」に第1回録音曲、「VOL.2」に第2回録音曲と第1回録音曲の残り、「VOL.3」に第3回録音曲と第4回録音曲、「VOL.4」に「天狼島編」「大魔闘演武編」の楽曲を、劇場版サントラに劇場用追加曲の全曲を収録している。

高梨 あるんです。「VOL.1」はわりと泥臭い、土着的なテイストが強い。「VOL.2」ではアップテンポの曲が増えている。「VOL.3」のときは、はたさんから「プログレっぽい曲がほしい」という発注があったので、プログレ風な曲や変拍子の曲が現われてきた。「VOL.4」の「大魔闘演武編」では「第三世代ドラゴンスレイヤーが登場するので、進化の意味でデジロックの曲がほしい」という発注があり、デジロックのテイストが加わっています。アルバムごとに少しずつ進化しているんです。

—— まとめて聴いたときの愉しみどころですね。
高梨 順番に聴いていくと、「お、こう変わってきたのか」という発見があるはずです。

—— 音楽的には変化していますが、演奏するミュージシャンはずっと同じですか?
高梨 変わってないです。『FAIRY TAIL』の音楽はバンド的な作り方なんです。だから、みんなツボをつかんでくれている。ミュージシャンに「こんど『FAIRY TAIL』やるよ」って声をかけると、「おっ、大変なの来るね」って言われます(笑)。

—— わかってるわけですね。
高梨 ケンジ(藤澤健至)は最初はギタリストとして参加していたけど、そのうちギターだけでなくマンドリンやブズーキ(※)などを練習して弾けるようになり、『FAIRY TAIL』でもそういう楽器を取り入れるようになりました。シンセオペレーターの高山淳も、いつもはシンセの音作りをしてくれているんですが、ドゥドゥク(※)をこっそり買って覚えて「自分も演奏に参加したい」と言ってきたり。そうやって、チームの中で新しい楽器をマスターして音楽を進化させている。みんなで楽しみながら創り上げていった音楽です。それができたのは、何枚も作らせていただいたおかげだと思っています。
※ブズーキ:ヨーロッパの弦楽器。ケルト音楽やギリシャ音楽でよく使われる。
※ドゥドゥク:中央アジアの木管楽器。中東、東欧などでよく使用される。

ミュージシャンの演奏がサウンドに息吹を吹きこんでくれた

—— 参加ミュージシャンの紹介もお願いします。
高梨 ギターの藤澤健至は、ぼくの全作品に参加している、ぼくのサウンドの要。〈六三四 Musashi〉(※)で一緒にやってきたギタリストの飯塚昌明が「おれが見てきた中で一番の天才だから試しに使ってみてよ」と紹介してくれたんです。そのときケンジは21歳で、「どれくらい弾けるんだ?」と思って聴かせてもらったら、「すげぇーっ!!」と。本当に天才だった。
※六三四 Musashi:和楽器をフィーチャーしたロックバンド。増田俊郎との共作で『NARUTO−ナルト−』の音楽を担当した。

—— 『FAIRY TAIL』のときはいくつくらい?
高梨 20代中盤くらいかな。脂が乗っている時期。ケンジは次々といろいろな楽器を覚えて天才ぶりを発揮していった。ベースはGRANRODEOなどでベースを弾いている瀧田イサム。彼も六三四 Musashi時代からの盟友なので、まかせておけば大丈夫。シンセオペレーターの高山淳、ヴァイオリン、フィドルの元井信さん、ホイッスルとフルートの高桑英世さん、アコーディオンの水野弘文さんも不動のメンバーです。コーラスはおなじみのRemi、ますだみき。エンジニアは必ず青砥州比古さん。自分の曲はイントロを何秒か聴いただけで「高梨サウンドだ」ってわかるようにしたい。そのためには彼らの参加が不可欠なんです。これだけの枚数のアルバムを不動のメンバーでやれるのは本当に奇跡的なことですよね。

—— けっこう長いスパンで作っているにもかかわらず。
高梨 だからこそ、互いに気心が知れた中でやれた。バンドサウンド的な作り方ができたんだと思います。

—— レコーディングで記憶に残ることは?
高梨 これもケンジの話になるんですけど、ケンジが予定外のところで入れたアドリブがサウンドの要になっているところもあるんです。譜面通りに弾いているのではなく、譜面で指示してないことをやったり、「ここでこんなことしてもいいですか?」と提案してやってくれたことが曲の肝になっていたりする。ケンジの才能が『FAIRY TAIL』で開花したと言えるんじゃないかな。彼の貢献度はすごく大きいですよ。

—— 遠慮なく言い合える関係だからという部分もありますね。
高梨 ケンジは平気で「高梨さん、これダサくないですか?」って言うんですよ。そう言われるとこっちも「え、そう? じゃあ、変えるからちょっと待って」と言って直したり。バンド的という部分でこだわっているのはそういうところ。ベースの瀧田イサムにも同じことが言えて、打ち込みの状態では単なる8ビートだったところを彼が自由に弾いて、ものすごくカッコよくしてくれたり。彼らの演奏がサウンドに息吹を吹きこんでくれた。そういうところがたくさんあります。

—— ミュージシャンが遊んだり暴れたりすることで音楽がブラッシュアップされていくと。みなさん原作コミックも読んでいたと聞いていますが。
高梨 読んでました。みんな内容がわかった上で演奏している。

—— ミュージシャンまで原作を読んでいるって、あまりないことですね。
高梨 だから、スタジオミュージシャンが初見で譜面だけ見て弾いたのとは違うんです。作品を知った上で、「ナツはこうだよね」「グレイはこうだ」「ルーシーだったらこんなに音を歪(ひず)ませちゃだめだろう」みたいなことを考えながら演奏している。

—— そういうのは音楽に反映されますよね。
高梨 現場に原作コミックが積んであるから、たまにサボって読んでないメンバーがいるとその場で読まないといけない。まず内容を理解してからやれと。「このシーンだからこの音」「このキャラだからこの音」みたいなのがあるんです。それによって、ぼくらの言葉で言う「棹(さお)を変える」=楽器を変えることもする。曲ごとにギターを変えて、この曲はもっと重い奴にしよう、この曲はもっと太い奴にしよう、といったことをやっているんです。

印象に残るリフやメロディが浮かんだら「勝った!」と思う

—— 結果的に、『FAIRY TAIL』第1期(2009年〜2013年)で200曲以上の曲を書かれていますね。
高梨 『FAIRY TAIL』の場合は、何曲発注が来ても苦ではなかったです。むしろ楽しかった。さらに、勝手に作った曲もあるんです。メニューにないのに、もう少しバトルの曲がほしいなと思って書いた曲もある。

—— 作っていて特に楽しかった曲は?
高梨 ぜんぶ楽しかった。メインテーマは思い入れが強いし、各アルバムの1、2曲目とラストの1、2曲あたりは毎回イチオシの曲を入れているので、そのあたりはお気に入りです。

—— 曲作りは具体的にはどんなふうに?
高梨 サビに持っていく爆発感が重要なんです。はたさんがまた、盛り上がるところにうまくサビが来るように曲を付けるんですよ。はたさんの独特なところは、最近の音響監督には珍しく「ステム(※)はいらない」っていうんです。「もらったものでやるから」って。楽曲をそのまま使ってくださるので、作曲家冥利に尽きます。
※ステム:楽曲をリズム、ギター、ストリングスなど、楽器セクションごとにばらばらにした素材。近年はステムを組み合わせて多彩な音楽演出をする手法が主流になっている。

—— たしかに『FAIRY TAIL』は「リズムのみ」「メロディのみ」といったトラックダウン違いのヴァリエーションもないですね。
高梨 「いらない」と。作曲家としては自分の意図通りの音を上手に料理してくださるので、すごくうれしいです。

—— 本編で聴いた曲とサントラに入ってる曲が違うというケースがたまにありますが、『FAIRY TAIL』では、本編で流れているのと同じものがサントラでフルサイズで聴ける楽しみがありますね。本編とサントラがリンクしているので、より深く楽しめる。
高梨 『FAIRY TAIL』をやってうれしかったのは、世界中の人がいろいろな楽器でカヴァーしてくれたことです。ネットに演奏が上がっているのを見るのが楽しみでした。ホイッスルだけで演奏してくれている人からバンドで演奏してくれている人まで。中にはオリジナルを超えているんじゃないかと思うような演奏もあって。自分の曲がたくさんの人に愛してもらえているのって感激です。

—— 世界中の人に聴かれているわけですね。
高梨 それを肌で感じたのが、フランスの「JAPAN EXPO」に招待されてライブで「ドラゴンフォース」(サウンドトラック「VOL.3」に収録)を演奏したとき。イントロが流れたら、お客さんから「うおおーっ」と歓声が上がった。その「キターッ!」っという熱狂ぶりは忘れられない。5千人のお客さんが入ったライブを2回やったんです。2回とも5千人が「うおーっ」っていうのを体験できました。今年はロシアの「HINODE POWER JAPAN」に招待されてカンファレンスで『FAIRY TAIL』のライブ演奏の映像を流したんですが、お客さんがものすごくよろこんでくれたし、『FAIRY TAIL』のコスプレをしている人もたくさんいました。今年はタイでもオーケストラが『FAIRY TAIL』の曲をカヴァーして演奏してくれるそうなので、聴きに行くつもりです。

ハイレゾなら作ったときの意図をそのまま聴いてもらえる

—— 今回、『FAIRY TAIL』の曲がハイレゾ配信されるわけですが、ハイレゾならではの魅力や聴きどころは?
高梨 CDではどうしても特定の帯域の音がカットされてしまうんですが、ぼくらはCDになる前の録ったままの音を聴いて音作りをしているんです。ハイレゾでは、その録ったままに近い音をお届けできるので、音の広がりや奥行きなど、ぼくらが作ったときの意図をそのまま聴いていただける。そこが聴きどころですね。スタジオでぼくらが聴いている音、CDになる前の音が聴ける。

—— より原音に近い音で聴けると。ということは、CDを持っている人もぜひハイレゾで聴いてもらいたい。
高梨 聴き比べていただくと、「原音はこんな音だったんだ」「こんな音が鳴っていたんだ」という新たな発見があると思います。それこそ、奏者の呼吸や指のタッチまで聴こえると思うので。

—— アルバムごとにお奨めの曲はありますか?
高梨 1、2曲目と最後の2曲はぜんぶお奨めです。
きゃにめ せっかくなので、サントラ盤の構成をまとめてくれた腹巻猫さんにも当時の思い出話などを。

—— 実はサントラに入れてない曲もあるんですよ。コミカル系やブリッジなどは抜いて、イキのいい曲、聴きごたえのある曲ばかりで一気に聴けるようにしようと高梨さんと話をして。アニメのサントラはストーリー性を持たせて構成することが多いんですが、『FAIRY TAIL』はロックのアルバムのように聴いてもらおうと曲調重視で並べていきました。
高梨 ふつうのロックバンドのアルバムのようなコンセプトで作っています。

—— だからアルバムまるごと聴いていただいたほうがいいですね。
高梨 アルバム単位で聴いていただくと、作った時期ごとの特徴もわかるので。

『FAIRY TAIL』を支持してくれたすべての人に感謝したい

—— 今年はついに『FAIRY TAIL』でJASRAC国際賞を受賞されました。おめでとうございます。
高梨 ありがとうございます!

—— 国際賞は『NARUTO−ナルト−疾風伝』の2度に続いて3度目ですね。
高梨 それだけ世界中のたくさんの人に聴いていただいたということなので、とても幸せです。感謝しかない。本当に光栄です。表に名前が出るのはぼくだけですけど、裏ではたくさんの方が努力をしてくださったり、支えたりしてくださった。そこは忘れないように大切に思っていきたい。『FAIRY TAIL』を支持してくださったすべての人に感謝したいと思います。
きゃにめ 高梨さんの音楽が『FAIRY TAIL』という作品を印象付けたことが受賞につながった大きな要因ですね。
高梨 そう言っていただけるとうれしいです。

—— 『FAIRLY TAIL』のあとには、高梨さんの他の作品のハイレゾ配信も?
きゃにめ やっていきたいと思っています。『織田信奈の野望』や『断裁分離のクライムエッジ』、『SHOW BY ROCK!!』、『俺、ツインテールになります。』など、高梨さんに音楽を担当していただいた作品がいくつもありますので。

—— ファンにはまだまだ楽しみがありますね。
高梨 9月24日、新宿ReNYで「高梨康治 & 刃-yaiba- LIVE 2017」を開催します。『FAIRY TAIL』の曲もやりますよ。サントラとは違うメンバー構成になりますが、ギターのケンジはもちろん参加しますし、強力なメンバーがそろっています。ベースはB'zのバックを務めた満園庄太郎が参加してくれていますよ! CD、ハイレゾと聴いていただいたら、次はぜひ生でも聴いてください!

(2017.05.18)

高梨康治 & 刃 -yaiba- LIVE 2017 
詳細はこちら ▶
【開催】2017年9月24日(日) 
開場16:15 / 開演17:00
【会場】新宿ReNY
【席種/料金】全自由 6,500円(税込) 
※入場時、ドリンク代別途600円必要となります。
※整理番号順のご入場となります。

【年齢制限】
6歳以上チケット必要、6歳未満入場不可。
【出演】
高梨康治(Keyboard)、茂戸藤浩司(Taiko)、藤澤健至(Guitar)、満園庄太郎(Bass)、市川義久(Drums)、-KIJI-(三味線)、元永拓(尺八)、他
※チケットは7月1日よりチケットぴあ、ローソンチケット、e+等で発売。

PROFILE

高梨康治(たかなし やすはる)

ロックを音楽的原点とし、ハードロックとオーケストラを融合した重厚かつ華麗なサウンドを得意とする音楽家。代表作に、格闘技『PRIDE』テーマ曲(2000)、TVアニメ『NARUTO−ナルト−疾風伝』(2007〜2017)、『プリキュア』シリーズ(2009〜2012)、『FAIRY TAIL』(2009〜2016)、『美少女戦士セーラームーンCrystal』(2014〜2016)、『タイガーマスクW』(2016〜)など。2013年、2014年、2017年「JASRAC国際賞」を受賞。

アーティストHP:
http://team-max.co.jp/artists/yasuharu-takanashi/