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3月30日にいよいよ最終回を迎えるTVアニメ『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』。アッシュとペルソナの関係やマトイの過去など様々な謎の答えが徐々に明らかになってきたが、最終回ではこれらの答えがどんな未来に向かって収束していくのか? 半年にわたって物語を導いてきた、アッシュ役の小野大輔とアフィン役の下野紘に、作品を振り返ってもらいながら現場の雰囲気やお気に入りのシーンなどを語ってもらった。そして「もし時間遡行できるなら?」というオマケも。果たして二人の答えは?

世代を越えたキャストが
一丸となって

──作品を振り返ってみていかがですか?

小野僕は今回のアニメからの参加だったので、まっさらな状態で物語がどこに行き着くのか分からないまま…そういう意味ではアッシュと同じ心境でアフレコに臨みました。けっこうシリアスなエピソードが多くて精神的にもしんどかったんですけど、そんな中でバカな相棒(アフィン)の存在が、とても救いになりましたね。

下野いきなりバカって(笑)。でも、ゲームの時からアフレコに参加していた僕らも、基本的には小野さんとあまり変わりなかったと思います。ゲームの場合は、アフレコは基本的に個々で行うので他のキャストさんと顔を合わせることはほぼなく、台本自体は存在するけど、自分のシーンに関わりのないキャラクターの詳細や、他のキャストがどういう芝居をしているかも分からないですから。アニメの現場で、「この人って実はこういうキャラクターだったんだ!」と知ったり、共演していたことを現場で初めて知る人もいらっしゃって。ベテランの方から若手まで、みんなで一丸となって作っている感がありました。

──アフィンはゲームの時との違いはありましたか?

下野たびたびトイレに行くのは、ゲームには無かったです(笑)。逆に物語が始まってからの、アッシュに対する急な距離の詰め方はゲームと同じでした。お姉ちゃんのことで悩んだり、シリアスになる部分がありつつも、戦闘シーンではどこか頼りなさげなイメージがあったと思います。すぐにビビッてしまったりとか。でもアニメでは特に後半、ちゃんとアッシュの相棒として存在しているなと思いました。ゲームではアッシュにすぐ助けてもらっていたので、第13話では「ここは俺にまかせて先に行けよ」とアッシュに言う頼もしいシーンもあって、アニメではしっかりアフィンの成長が描かれていました。

小野その時のアフィンは頼もしくて、僕もグッときました。背中を預けられる関係になっていて、第24話で初めてアッシュがアフィンのことを「相棒」って呼んだんです。僕はそこが、一番好きなシーンです。もちろんアフィンを相棒として認めてはいたけど、それを敢えて言葉にしたことは無かったから。

下野確かにアフィンが「相棒」と呼んでもらったのは、シリーズを通して初めてだと思います。ゲームではプレイヤー自身が主人公だから、直接の会話はないですから。

小野いやいや。プレイヤーの皆さんは、きっと「相棒」って画面の前で呼んでいたと思うよ。下野くんの話を聞いて思ったけど、ゲームからアニメになることの意味って、そういうところにあったのかなって思います。プレイヤーが100人いれば100通りの『PSO2』があるわけで、今回のアニメで主人公とキャラクターの関係性をしっかり描いてくださったことで、またグッとくるものがあったんだと思います。きっとプレイヤーのみなさんもこんな風に思っていたんだろうなって、改めて台本を読んでジーンとしました。

──小野さんは主人公として、全世界の数百万人プレイヤーの想いを背負っていたわけですね。

小野イベントに出た時に、それをすごく感じました。感謝祭の時にアニメ化の発表があって、舞台に上がらせていただいたんです。来ている人、配信を見ていた人たちは、みんなアークスなんですよね。「アークスのみなさん、新米アークスのアッシュです」と挨拶した時の盛り上がり方が半端なかったんです。こんなにのめり込んでハマってくれているんだと思って、とても嬉しかったです。でもそれは重い責任とかではなくて、そのままでそこに飛び込もうと思いました。

下野イベントは、本当にすごかったです。アフィンがただ一方的に「相棒」と呼んでいた人たちが大勢いて。その時点でアフィンがどれくらいアニメに登場するか分からなかったけど、アフィンとしての僕の言葉にみんなが笑ってくれたり、ダイレクトな反応がもらえてすごく嬉しかったです。

小野アフィンは国民的な相棒だよ。国民的相棒コンテストがあったら間違いなく優勝だよ(笑)。

──お二人としては、以前から交流があったんですよね。

小野最初に仕事をし始めたのって、ドラマCD『クラノア』だっけ?

下野そうかも。ちょうど10年くらい前で、ゲームの『PSO2』でアフィン役を最初にやったくらいの時期からです。

──そもそもお二人の仲が良いという関係性は、アッシュとアフィンを演じる上で良い影響がありましたか?

小野オーディションではアッシュとアフィンのかけ合いを演じたんですけど、その時に監督から「アフィンは下野さんなんです」と言われて。「一緒に旅番組をやっていますよ」と話したら、「そうなんですか。じゃあ良いかもな~」という反応だった。その後アッシュが決まったので、もしかして『小野下野のどこでもクエスト』をやっていたから決まったのかなって(笑)。あとで聞いたら、「あの関係性があるなら、より良くなると思った」とのことで。つまり僕がアッシュに決まったのは下野くんのおかげですね。

下野そこだけじゃないでしょ! でも、少なくとも賑やかな現場にはなりましたよね。

小野僕はけっこう静かにしていたんですけどね、アッシュらしく寡黙を貫いて!

下野そうでしたっけ?(笑)

──レギアス役の秋元羊介さんやマリア役の小山茉美さんなど、ベテラン声優とのシーンも多かったと思いますが。

小野マリア役の茉美さんもレギアス役の秋元さんも、すごく作品と真摯に取り組んでくださって、お芝居に対する探究心がすごいなって思いました。もっと出来るという、ギラギラとした情熱みたいなものを感じて嬉しかったです。茉美さんとゼノ役の木村良平くんが話をしているのも新鮮だったし、レギアスなんか年齢不詳で、あの見た目で秋元さん。ただものではないですよね。とてつもない年輪を感じて、ひたすらに格好いいです。昔はいろいろあったけど、多くは語らないところとか。あと秋元さんは、口パクがないから「楽だ」って言ってました(笑)。

──ベテランの方がムードを作っている感じがあったんですね。

小野そうですね。ベテランの方がベテラン然としているわけではなくて、ちゃんと意見を述べてくれる。茉美さんや秋元さんと一緒にお芝居をする貴重な機会でしたし、すごく光栄でした。

下野いろんなお話を聞かせていただいて、すごく楽しかったです。探究心と役に対する相対し方には、感じるものがありました。僕と小野さんはこの業界で仕事をしてきてほぼ20年ですけど、それよりも長くこの業界で戦ってきた人たちが、まだ「もっと上がある」という感覚を持っていらっしゃるのは、見習うべきだなと思いました。